緊縛縄のお手入れ法

緊縛をする環境は人それぞれ違います。きれいな床、蝋燭の不使用、着衣での緊縛などであればさほど緊縛縄が汚れることはないと思いますが、多くの場合は全裸での緊縛、蝋燭の使用があるのではないでしょうか?また、緊縛パフォーマーやSM嬢などはさらに過酷な状況で緊縛縄を使用することになります。
できるだけきれいに使いたいけれど、そうも行かない。これは悩ましい問題であると思います。

ここでご質問です。
皆様はどのように緊縛縄の手入れをしていますか?

洗濯機でジャブジャブ洗っている方や、少し丁寧に漬け洗いでしょうか?
ひょっとすると多くの方がそうされているのかもしれません。アクリルや綿ロープであればそれでもいいのかもしれませんが、麻縄となると少々問題がありそうです。

麻縄は使い込むことによって使用感がよくなります。もともと原料の麻縄のは大変固く毛羽立っています。これを湯に通しアクを抜き、繊維を柔軟にします。干したうえで毛羽を取り除き、パサパサの乾いた縄に油等でコーティングし、ようやく「使うことができる」緊縛縄となります。この緊縛縄は単に「使うことができる」というだけで、「使える」とはほど遠い状態であるわけです。その「使うことができる」緊縛縄を使い始めることにより、手ににじむ油や、受け手の汗が浸透してきます。また、縄と縄が擦れることで毛羽も落ち緊縛縄の表面が滑らかになります。
緊縛縄はその過程の中で育ちます。使用感が格段に良くなりますので、受け手もその完成度を肌で感じることでしょう。

せっかく育ってきた縄を無造作に洗濯機で洗ったり、漬け洗い、押し洗いをしてしまうと、緊縛縄はふやけ、また一から育てなおすことになってしまいます。
では、どのような手入れをすればいいのでしょうか?ここで記すことがすべてではありませんが、一つの方法を記載させていただきます。

緊縛縄のお手入れ方法ですが、全体的な汚れに関しては、蒸しタオルでふき取ること。部分的な強い汚れに関しては歯ブラシなどでブラッシングすることです。繊維の奥までしみ込んだ汚れに関しては落とし切れない部分もあるかと思いますが、表面の汚れに関してはブラッシングである程度落とすことができます。さらに具体的には、歯ブラシに中性洗剤(除菌ができるタイプ)をつけその部分のみ緊縛縄の繊維に沿ってブラッシングします。その後蒸しタオルでふき取り、天日干しをします。陰干しが良いとも言われるのですが、天日にさらし紫外線で除菌することが効果的と考えられます。

その後その部分を中心に蜜蝋ワックスや馬油などを薄く塗りこめば大丈夫です。いままでの使用感を保ちながらさらに緊縛縄を育てることができます。

では、蝋燭が付着した場合はどうするということですが、蝋燭は固まるとなかなか落ちにくい厄介な存在です。赤色の蝋がついているとあまり恰好がいいものではありません。あまり広範囲に蝋がついているときはどうしようもありませんが、ろうそくがついてしまった部分のみ熱湯に浸し、ある程度蝋を溶かしだすことです。ろうそくの融点は低いので表面の蝋は比較的早く溶け出ると思います。あまり奥深く浸透したロウソクをきれいにしようとはせず、表面のみ溶け出たところで同じように蒸しタオル、または乾いたタオルなどでふき取ってください。

あとは先ほど述べた工程と同じことをしていただければと思いますが、天日干しの後、毛羽が立っているようでしたら、家庭用コンロでさっと炙り毛羽を落してから蜜蝋ワックスや馬油などを塗りこむようにしていただければいいと思います。汚れを落とすのは容易ではありませんので、縄を使う場合はできるだけ環境の良いところで使用し汚れが付着しないようにすることが一番です。